証明書付きの電子定款を作成する

前回の記事はこちら「公証人役場での定款チェック」

法人設立作業・手続きまとめはこちら

公証役場での定款チェックが終われば、次は認証へ向けての作業となります。
認証をオンラインで進める場合、定款を電子ファイル(PDF)化し、代表者の電子証明書を付加する必要があります。
認証ををオンラインで行わずに役場窓口で進める場合は定款を紙に印刷して持参するのですが、その際に4万円分の収入印紙が必要となります。
電子定款の場合はこの4万円分の収入印紙が不要になるので、設立費用を抑えたい場合は電子定款によるオンライン認証をお勧めします。
以下、電子定款の作成について記載します。

PDFファイルの作成

Word等で作成した定款を、PDFファイルに変換しましょう。
Windows10では標準でPDFファイル印刷機能が搭載されていますので、「印刷 → Print to PDF」を選択すればOKです。

PDFファイル印刷機能が搭載されていないOSを利用する場合は、PDF変換するソフトを用意しましょう。
「フリーソフト PDF 変換」等で検索すれば、無料のPDF変換ソフトが多数ヒットすると思いますので、お好みでご利用ください。

電子署名に必要なソフトのインストール

Acrobat Pro/Standard DC

PDFに電子署名を付加する場合、有料版の「Acrobat Pro/Standard DC」が必要となります。
無料版の「Acrobat Reader DC」では電子署名を付加することはできませんのでご注意ください。
なお、「Acrobat Pro/Standard DC」無料体験版での電子署名も可能ですので、設立費用を抑えたい場合は体験版を利用するとよいでしょう。
私が定款を作成した2018年10月時点での無料体験版利用期間は14日間だったのですが、2019年4月時点では7日間となっているようです。

Adobe公式サイトはこちらから

PDF署名プラグイン

法務省から用意されている「PDF署名プラグイン」を、ご利用PCにインストールします。

ダウンロードはこちらのページの「PDF署名プラグイン」から

PDFファイルへの電子証明書付加

変換したPDFにマイナンバーカードの電子証明書を付加します。

おおまかな手順としては以下のようになります。
①定款PDFを「Acrobat Pro/Standard DC」で開く
②PCにICカードリーダーをUSB等で接続する
③ICカードリーダーにマイナンバーカードを差し込む
④電子署名を付加する
 署名の際はマイナンバーカードの電子証明書パスワードの入力が必要となります。


詳細はAdobe公式サイトや法務省が運営する「登記・供託オンライン申請システム」のホームページに専用ページがありますので、そちらをご覧ください。

Adobe公式サイト「PDF ファイルで電子署名を利用する方法 」

Adobe公式サイト「オンライン登記等の申請用 PDF 形式ファイルに関するよくあるお問合せ」

登記・供託オンライン申請システム「PDFファイルに電子署名を付与する際の留意事項について」


以上が証明書付きの電子定款作成についての解説となります。
次回は交渉人役場での電子定款認証についてを書き綴ります。

ご購読ありがとうございました。